昨年末から少しずつリハーサルを重ねていた4音オペラですが、2週間後に本公演を迎えます。というわけで、今日からはいよいよ立ち稽古!
4音オペラは、フランス在住のアメリカ人作曲家トム・ジョンソンの作品で、キャストはソプラノ・コントラルト・テノール・バリトンの4人のみ、使っている音もラ・シ・レ・ミの4音のみで、クラシックのオペラを風刺しているコミカルな内容となっています。オリジナルのテキストは仏語ですが、「公演現地の言語で」という指定があるため、今回は日本語での公演となり、日本語公演は世界初演となります!特にドラマティックなストーリーなどはないのですが、シンプルなモチーフの掛け合いが段々と複雑になっていき、音遊び・言葉遊びのようになっていくところなどは、普段クラシックをあまり聴く機会のない方にも面白く聴こえるのではないかと思います。
さて、私はどちらかと言うと器楽と一緒に演奏する機会が多いので、オペラの現場に入るのはとっても新鮮です!オペラの場合、最初に音楽稽古という演奏だけのリハーサルを行い、歌詞やメロディを覚えたところで、演出家や舞台監督立ち合いのもと立ち稽古が行われます。
そして大抵の場合、オペラにはオーケストラや室内アンサンブルの伴奏がついているのですが、リハーサルに奏者を呼ぶのは仕上げの数回で、それまではピアノが代わりに伴奏します。ただ今回の4音オペラに関しては、もともとがピアノ伴奏で書かれている作品なので、最初から最後まで私がおつき合いすることになりました。
それにしても、オペラ歌手の皆さんは演奏しながらお芝居もしなくてはならない上、どんどん変わっていく演出家の指示にその場で対応して、よくこんがらがったりしないなーと毎回感心してしまいます!例えば、ステージに出るのも、客席から見て右側の上手、左側の下手とありますが、このシーンでは下手から出て上手へ、次のシーンでは上手から出て上手へ、その次はステージ裏を通って下手から出るなんてことはザラで、今回の公演は一応コンサート形式のため譜面台があるのですが、出入りによっては自分の楽譜ではないものを見ることになったり、時間的に余裕のあるところでは譜面台を持って移動したりと大忙しです。オペラ歌手の中には一晩の公演で何キロも痩せる方もいるそうですが、演奏の他にもいろいろと気を遣うことが多くて、確かにこれは心身ともにクタクタになりそうです。でも今回のキャストの皆さんは経験豊富な素晴らしい方々なので、いとも簡単そうに楽しげにこなしてしまうんですよね。もともとコミカルな内容なのもあって、現場はいつも笑い声が絶えず、ここから続く立ち稽古も楽しく乗り切れそうです!
トム・ジョンソン
《 4音オペラ 》
日本語版世界初演
ソプラノ:西本真子
コントラルト(メゾソプラノ):加賀ひとみ
テノール」布施雅也
バリトン:大山大輔
バス:志村文彦(特別出演)
ピアノ:藤田朗子
演出:恵川智美
照明:望月太介(A.S.G.)
舞台監督:八木清市
曲目:
トム・ジョンソン/Door ・ 7つまで数える
足立智美/三音ぽんがく(委嘱初演)
トム・ジョンソン/4音オペラ
《 東京公演 》
日時:3月25日(水) 19時開演(18時半開場)
会場:杉並公会堂 小ホール(167-0043 東京都杉並区上荻1-23-15)
料金:一般3500円 学生(25歳以下)2500円 (全席自由)
チケット取扱い:Confetti(0120-240-540 平日10~18時)
主催・問い合わせ:ナヤ・コレクティブ(03-3921-4309 11~17時)
《 愛知講公演 》
日時:3月28日(土) 14時開演
会場:愛知県芸術劇場 小ホール(461-8525 名古屋市東区東桜1-13-2)
料金:一般3500円 学生(25歳以下)2500円 (全席指定)
チケット取扱い:愛知芸術文化センター内プレイガイド(052-972-0430)
チケットぴあ(0570-02-9999 Pコード/246-043)
主催・問い合わせ:愛知県芸術劇場
(公益財団法人愛知県文化振興事業団 052-971-5609)
※未就学児の入場はご遠慮ください。
※演奏曲目、演奏者等やむを得ない事情により変更になる場合があります。