2013/08/17

一つ目の山を下山!そして二つ目の山へ・・・

 軽井沢から帰ってきました!8日から15日までの1週間ですっかり体は現地の気候に慣れ、そこでさえも暑く感じていたのですが、自宅に戻ってきて軽井沢がどれだけ涼しかったか身に沁みます。一時の溶けてしまいそうな暑さでないとは言え、湿度が高いのは辛い!

 今年軽井沢国際音楽祭は例年より1週間ほど早く始まったため、今までとは違うことがいろいろとありました。まずは講習会会場と宿泊施設がいつもと違う施設になったこと。今までは受講生たちの宿泊施設・講習会場・講師陣の宿泊施設がそれぞれ別だったため、その移動にマイクロバスを使うなど結構苦労していたのですが、今年は受講生の宿泊所内にレッスン室を用意してもらえたので、受講生達の移動の負担がなくなりました。ただお盆前後の軽井沢はものすごく混むので、ちょっと離れたホテルから通う先生方は大変だったみたいです。「大変だったみたいです」と言うのは、私も受講生と同じところに泊まっていたから。ホテル側の手違いで一人だけそこの施設に泊まることになったのですが、おかげで朝も夜もゆっくりできたし、街中よりさらに涼しい山の上だったので、エアコンいらずで過ごすことができました。

 さらに時期がずれたことでいつもより受講生の人数が少なく、余裕をもったスケジュールでレッスンができたこと、空いた日に受講生とピアニストで室内楽に取り組めたことは、とってとっても良かったと思います!私もミヨーのクラリネット・ヴァイオリン・ピアノのための「組曲」というトリオを演奏しました。クラリネットクラスにはベテランピアニストの出羽真理さんも伴奏者として参加されていて、出羽さんはベートーヴェンのクラリネット・チェロ・ピアノのための「町の歌」というトリオを演奏されました。チェリストは聴講で参加していた高校生で、1日で曲を仕上げるとか室内楽を演奏するなんてまだ経験したことがないくらい若い子でしたが、出羽さんのサポートのもと、とっても音楽的に演奏していました!当初室内楽に関してはレッスンだけの予定だったのですが、同じ施設に泊まっている一般のお客様のディナータイムにゲリラライブを行ったりと、オプションとしてはかなり充実していたと思います。その講習会も14日の受講生コンサートで幕を閉じ、みんなが数日間でちょっとずつ成長したのを演奏を通して感じることができて、とても嬉しかったです!写真は受講生コンサートの会場のユニオンチャーチ。昨年まではステージの奥に壁があったのですが、建てた当時のままの姿に戻し、窓から光が差す気持ちの良い会場となりました!

 そして14日からはメインイベントのコンサートが大賀ホールにて開かれ、私も15日の「パリ・復興」と題した室内楽コンサートに出演しました。プログラムは二重奏から七重奏までとバラエティに富んでいて、そのどれにもピアノが入るという豪華さ!でもどの曲も非常にピアノの負担が大きいため、ピアニスト3人で分担して演奏しました。私が演奏したのはラヴェルのピアノトリオで、共演はヴァイオリン奏者の小林美恵さんとチェロ奏者のエマニュエル・ジラールさん。曲は4楽章形式で、どの楽章もこれでもかというほどラヴェルのエスプリが効いている美しい作品ですが、お互いのパートの拍子が違っているなど、非常にアンサンブルが複雑に書かれているため、奏者同志が信頼し合ってお互いのパートを知り尽くしていることが求められます。でも私とジラールさんは初共演な上、忙しい演奏家が合わせをできるのは多くて2回。かなり厳しい条件に、個人的には全然余裕がなかったのですが、小林さんとジラールさんが温かく支えてくださり、なんとか無事に演奏を終えることができました。いろいろ反省が残る演奏ではあったけれど、本当に愛してやまない作品なので、これからも回数を重ねてもっともっと自分のものにしていきます!

 さて、明日からは今夏二つ目の山登り。山口県の秋吉台国際芸術村にて開かれる、現代音楽セミナー「秋吉台の夏2013」に参加します!

《現代音楽セミナー&フェスティバル 秋吉台の夏2013 始原の声・未聴の声》

メイン・コンポーザー:湯浅譲二
コンポーザー:田中吉史
ゲスト・コンポーザー:木下正道・徳永崇・成本理香・若林千春
バリトン:松平敬
フルート:Mario CAROLI・村上景子・若林かをり
テューバ:橋本晋哉
ヴァイオリン:松岡麻衣子
ヴィオラ:般若佳子
ピアノ:中山敬子・藤田朗子
合唱指揮:西川竜太
合唱:女声合唱団「暁」(ピアノ:篠田昌伸)
ゲスト:防府少年少女合唱団

8月19日(月)「一緒に体験しよう-フルートの新たな世界!」ワークショップ
8月20日(火)「現代音楽・低音の魅力をフル体験!」ワークショップ
8月21日(水)「『秋吉台の夏 2013』講師陣によるガラ・コンサート」お話付コンサート
8月22日(木)「合唱団コンサート」お話付コンサート

日時:8月19日(月)~22日(木) 各コンサートとも19時半開演(19時開場)
会場:秋吉台国際芸術村ホール(754-0511 山口県美祢市秋芳町秋吉50番地)
料金:19日(月)~21日(水) 一般1000円 FN会員800円 高校生以下無料
22日(木) 一般1500円 FN会員1200円 高校生以下無料
お問い合せ・受講申し込み:「秋吉台の夏 2013」事務局 河添達也
               (0852-32-6317 kawasoi@edu.shimane-u.ac.jp)
コンサート・チケット予約:秋吉台国際芸術村
               (0837-63-0020 http://www.aiav.jp

 私は21日のガラ・コンサートにて、イサン・ユンのヴァイオリンとピアノのための「GASA」、ミュライユのピアノソロのための「別れの鐘と微笑み」、その他カーゲルの作品などを演奏します!現代音楽というと訳が分からないと思われがちですが、ちゃんとベートーヴェンやドビュッシーを通過してきた音楽が根底にあります。確かに難しい響きのものもありますが、楽しかったりかっこいい作品もたくさんあるので、ぜひぜひ聴きにいらしてください!

3 件のコメント:

  1.  お疲れさまでした!今年も講習会、15日のtrio、ありがとうございました。
     僕も昨日の最後のプログラムを聴き終えて帰宅しました。

     藤田さんとは違ってこちらを離れたのは2日間だけだったのだけれど、新幹線の東京駅のホームに降り立った瞬間、ムッとする。(笑)
     やっぱり、軽井沢、涼しかったのですね。
     本通りを駅から旧軽まで歩くと汗ばんでしまいましたが。(笑)

     今年はホテル、違っていたのですね。道理で一人も出演者の方を見掛けなかった訳だ。(笑)
     この時期の開催は集客を考えてのことでしょうか?
     でも、本当に残念なことなのだけれど、集客に関しては例年とさほど、変化はなかったように思われます。
     昨日の最後のコンサートだって、この音楽祭の聴衆の数としてはとても寂しかったですし、(お盆休み最後の日だったので、みなさん、移動日として使われるのです。)やっぱり、お盆での開催は出演者の方々にとっても聴衆にとってもメリットはあまり、なかったのではないかな。

     これからもずっと、続いて欲しい音楽祭です。長い歴史の中にはいろいろと試行錯誤をされて、そうやって問題点や成功への方法を捜し求めてゆくことも必要なことなのだろうと思います。

     21日のイサン・ユンさんは知り合いの指揮者のフランシス・トラビスさんが得意とする作曲家です。
     藤田さんのシャープなピアノでぜひ、聴かせて頂きたいのだけれど、翌日朝から用事があって、残念だけれど伺えません。ごめんなさい!
     秋吉台、西の方ですが、山なので涼しいことを祈ります。
     軽井沢から帰宅されて、あまり、日も空けずに秋吉台。
     タフですね。(笑)音楽家は移動も仕事の内とはいっても。
     ネギちゃんも試練が続きます。(笑)暑さに加えて、寂しさ。
     でも、そういう試練を乗り越えて、りっぱな一人前の芸術家の伴侶となってゆくのですね。
     

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  2.  ユニオン・チャーチと15日のラヴェルのピアノ・トリオのことで少し、加えます。
     あそこはふんだんの木で出来ているのに響きはデッド。 不思議ですね。
     僕はデッド、大好きなので心地良かったのですが、奏者の方はどうなのだろう?
     音が返って来なくて、心許なくはないですか?
     それから、背面に窓が出来て確かに明るくなりました。奏者の方々もよく見えるし。(笑)
     けれど、暑い。(笑) 今回も本番前は扇風機を回したり、冷風機でステージを冷やしていらっしゃいましたが、演奏中は完全に切っていますので奏者の方々も大変だったろうと思います。
     木越さんもさかんに汗をふきふき。(笑)
     後ろの窓、空かないんですね。あそこを空ければ、風も通るし、その空気の流れに沿って音楽も教会中に流れてゆく。いいことずくめだと思うのですが。

     それから、もう、お話ししましたっけ。
     あの辺りはいろいろと音楽とは縁がある所で、ユニオン・チャーチの裏手のかつて、ゴミ置き場だった所には近くに住んでいたジョン・レノンが毎朝、ゴミを出しに来ていた!のだそうです。ショーンを連れて。僕もその時よく、いっしょにゴミを出していたという老婦人とお話ししましたが、とても人当たりのいい優しい人だったそうです。そのお話しを伺った今はもう、他のカフェに変わってしまいましたが、かつてあったカフェにはジョンがヨーコさんとショーンと住んでいた軽井沢の家の洗面台が飾ってありました。
     
     真っ赤な大きな洗面台。
     シンクの広さと深さはジョンの長い顔(笑)をそのままザブンと浸けても、十分な余裕がある大きさ。
     もちろん、日本製ではありません。
     こんな洗面台を選ぶなんて、やっぱり、ジョン(あるいはヨーコさん)、センスあるなあ。(笑) 

     それから、そのカフェのお隣のブティックのご婦人は現代音楽作曲家の細川俊夫さんのご親戚。細川さんのことやヴァイオリニストのかつての奥様とのこと(これは書けません!笑)を詳しく伺いました。

     天皇陛下ご夫妻の出会いの場のテニス・コートは目の前にあるし、やっぱり、いろいろと興味深いところです。

     ラヴェルのピアノ・トリオはお書きになったそういう複雑な作りがあの色彩感に溢れた、音が空間に浮遊するかのような不思議な音世界を形作っているのですね。
     やっぱり、ベートーヴェンやシューベルトとはまったく違う。(笑)
     藤田さんのピアノはテンポやリズムの保持においても、その微妙な打鍵のコントロールにおいても、見事でした。
     弦お二人の音楽性に十分、比肩した音楽を奏でて下さいました。
     それから、なぜか、ステージに藤田さんが出て来られるとホッとします。
     もちろん、緊張感はあるのですが、藤田さんの存在がその場を少し、優しくする。
     お人柄です。

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  3.  Daisukeさん

     こんにちは!

     秋吉台からは数日前に帰っていたのですが、たまっていた細々とした仕事を片付けていたら、返信が遅くなってしまいました。すみません!

     秋吉台は東京よりも暑くて溶けてしまいそうでした。軽井沢の気候とのギャップで尚更そう感じたのかもしれないですが、あの暑さの中でキビキビ働く地元のスタッフさんがスーパーマンのようでした!

     お仕事でいらっしゃれなかったとのこと、気になさらないでくださいね。と言うより、あまりに遠方なので来ていただくのは申し訳なさすぎます。ぜめて日帰りできる範囲なら良かったのですが。

     留守中のネギは、やさしいシッターさんにたくさん遊んでもらって満足だったようです。関東を襲った雷雨にもケロリとしていたみたいで、ペットホテルに預けた時に比べてたらとっても快適だったようです。これからはどうしても留守にしなくてはいけない時でもシッターさんにお願いできると思うと、気持的にも大分楽になりました!ペットシッターサービスを紹介してくださって、どうもありがとうございました!

     軽井沢の音楽祭は今回いろいろな事情が重なって時期を前倒しせざるを得なかったようです。でもいろいろと問題もあったのは事務局も把握しているようなので、多分来年からはいつもの時期に戻ると思います。

     ユニオンチャーチやその周辺にはいろいろな逸話があるのですね!ユニオンチャーチの響きは確かにデッドですが、嫌な感じはしません。響きの豊かなホールに比べると助けてもらえない部分もありますが、その分ナチュラルな音響になると思います。ただ暑いのだけはつらいですね。でも当分エアコンをつける予定はなさそうな雰囲気(笑)。

     ラヴェルは音楽的に1楽章がとても大変でした。他の楽章は大体手に入っていたので、直前は1楽章ばかりさらっていたのですが、本番では1楽章がうまくいって、他でミスが目立ってしまいました。やっぱりかけた時間というのはそのまま本番で出るんですよね。次は音楽的にも技術的にも全体が満足いくように仕上げたいと思います!

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