2010/11/17

譜めくり

 先日縁あって室内楽のコンサートでアンドレ・プレヴィンさんの譜めくりをさせていただく機会がありました。共演はNHK交響楽団の弦楽器奏者の方々で、プログラムはオールモーツァルト。巨匠の譜めくりとあってかなり緊張しましたが、すぐ側で演奏を聴けたのはとても大きな収穫でした!

 ピアノは弦が張ってある胴体から客席側に向けて音が飛ぶ楽器なので、ピアニストが演奏する鍵盤の前と共演者がいる胴体の前や客席では、聞こえる音量に大分差があります。特に弦楽器のようにピアノとの最大音量にかなり差がある楽器とアンサンブルする場合にはとても神経を使うのですが、こればかりは経験をもとに憶測で調整するしかありません。なので誰かの譜めくりをする時には、チャンスとばかりに鍵盤前で聞こえる音量のバランスをチェックしているのですが、プレヴィンさんはとても軽やかに演奏されていて、緊張しながらもそのコントロールをしっかり脳裏に焼付けさせてもらいました!

 写真はドイツ製自動譜めくり機。あらかじめ各ページにマグネットシートを貼っておかないといけないのが面倒ですが、ペダルを踏むと譜面台手前の金属のバーが右から左へと回転し、磁力で引っ張られたページがめくれるという優れもの。ただ約5万円と結構お値段が張るのと、リピートなどで前のページに戻ることは出来なさそうです。譜めくりは地味ですがかなり大変な仕事なので、上手い人はそれだけで生活できるくらい引っ張りだこです。そのレベルになると自動譜めくり機なんて及びもしませんが、下手な譜めくりよりは機械の方が頼れるかもしれません。

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